家計的に困っているとは到底お見受けしない方が、大学の学費は奨学金で子供に払わせたと仰っていました。これは、ある種の教育方針なのだな、とわたしは思いました。逆に、社会に出た子供たちが、何らかの経済的なつまづきがあったら、フォロー出来るだけの経済的な余裕が準備されているという裏返しなのでは?とさえ思いました。立派なことだと思いますが、とてもとても私には真似出来ませんでした。
うちの夫の奨学金返済が終わったのは、こどもが高校に上がってからです。途中仕事を失って、家族の生活費さえ危ぶまれ、返済どころではなかったからです。
自分のこどもが奨学金をどうしようという時になっても、親の奨学金返済が終わってないとはどういうことでしょうか。そのため、わたしは絶対に子供の学費は親が出すという決意でやってきました。
確かに、奨学金は、メリットもデメリットもあります。
【奨学金のメリット】
①金利がめちゃ安い。親がどこぞのローンを借りて支払うよりずっと安くて済みます。
ざっくり計算で利息はこんな感じです。
奨学金(変動):0.005%
住宅ローン :0.5%
創業などの融資 :1~2%
↓詳しくは。
②成績が良ければ、無利子の第一種奨学金が借りられる。返済不要の給付型奨学金などもあるが、枠が少ないのが難点。
③うちのように単純に学資が足りない、という人も借りられるし、親の都合でも借りられる(他に兄弟の学費負担が大きいとか、家のローンがあるとかの理由)。
住宅購入のローンの審査って、ありますよね。ちゃんとした会社に、ある程度の年数をきちんと勤務しなければ、銀行はお金を貸してくれません。でも、奨学金の審査は甘いです(と思います)。また、親が進学に反対で、学費を出してもらえない人もまだまだいると聞きます。
【奨学金のデメリット】
①順調に就職して、順当な給与を貰えているなら無問題ですが、就職してもブラックなところに入って給与が少なかったり、健康を害したり、その他の事情でなどで働けなくなると返済が大変になることがある。←夫のように。
②結婚したお相手が、奨学金を返済していたりすると、家計への負担が増す。←わたしのように。
③奨学金の返済が終わらないうちに、他のローンを組んだりすると、さらにきつくなる。←車や家のローンを組みにくくなる
しかし大学の授業料分だけならまだしも、親元を離れて進学した場合の生活費まで借りて賄おうとすると、かなりの金額になります。
1か月で最大12万円借りられて(自宅から通学だとそこまでは借りられない)、それが4年間借りるとなると、
・12万円×12か月×4年間=576万円
院まで進学するとなると、
・12万円×12か月×6年間=864万円
新社会人にとって、これは驚異の金額ではないでしょうか。
それでも、進学したいのに、進学できる力があるのに、経済的な問題で大学へ行けない人には大きな足がかりになりますよね。奨学金とは、本来そういう使われ方をするべきなのですから。理系の学生は、バイトも思うようには出来ません。生活費の心配をしながらの学生生活は、かなり大変です。
そのあたり、こどもと良く話し合って決める必要があります。納得した上で借りないと、何か不都合があった時、こどもも親も大変なことになると思います。