いつも、まだ使い終わらない、まだ在庫がかなりある、な状態なのに、夫はいつも次のものを買ってきます。いえ、それはわたしだって安売りしている時などは買いますよ。実際、毎日使用している消耗品や調味料はいくばくかの買い置きが必要です。毎日の買い物時間が惜しいですし、1個や2個の買い物のために店に寄る手間も嫌ですし。
ただ、夫の行為は常軌を逸していると言っても過言ではありません。
夫の大好きな芳香剤や入浴剤、毎日飲む酒類がそれに相当します。
芳香剤は、わたしはあの人工的な香りがあまり好きではなく、それこそ何万回も言っているのです。なのに、玄関とトイレ用に欠かしません。まるで魔よけのように、1日たりとも欠かしません。もちろん、わたしは家計からは出しません。入浴剤も大好きで、せいぜい1個か2個あればいいものを、広くない洗面所には開封済みの入浴剤が常に5個以上常備されています。
これは一種の病なのではないかと思います。
夫が陣取っているいつも座る椅子の近くには、ゴミ山が出来ています。本人にとっては、全部要るものだそうです。
夫が先に出勤した後、わたしはそこの山からくっだらないものをごっそり引き抜いて、たまに捨てています。夫は気がつきません。本当に必要なものを見極められないので、何でも取っておけば安心なのでしょう。新聞やちらしも、どれが目を通していて、どれが必要で、どれがもう時期切れのものか、区別が出来ないのですね。ひどいと半年、昨年のものまでまだあったりします。
夫のカバンの中も、常にゴミだらけです。大体、ホームレスのようになんでもかんでも詰め込むので、最後はボロボロ、見た目もほとんどホームレスのカバンです。
わたしがまだ妻をやっていたころは、中身を点検して、要らなさそうなゴミを捨てたり、サラリーマンらしいカバンに買い替えたりしたものでした。その作業をわたしが放棄したあとは、カバンは旅行カバンほどの大きさになり、しかも常にパンパン、穴が開いてそこから荷物がはみ出していても本人は気がつかないようです。
本人は良くても、一応家族を名乗っているわたしと子供が恥ずかしいったらありません。カバンも、そのうち何かの商品にくっついてくる不織布のエコバッグみたなもの、子供か誰かが買って放置していた100均のペラペラバッグなどを平気で使うようになりました。
ホームレスの方のカバンや持ち物も常にパンパンですよね。あれは、居場所が特定できないから全財産を持ち歩いているためだと思っていたのですが、うちの夫のような人間もいるかもしれません(偏見だったらごめんなさい)。拾った1円、落ちていたタオル、不要なのにただのものは大量に持ってくる。高収入のサラリーマンであったなら、ただの変わった性癖の持ち主で済んだかもしれません。