この同僚のお父さんは、すでに年金生活に入っています。
お母さんも健在で、夫婦2人で仲良く暮らしているとのこと。同僚も、よく実家に顔を出すとのことで、旅行の話もよく聞きました。ご両親ととても仲良くされているのだな、という印象でした。
ところが、このお父さんは、同僚が実家にいるころから宝くじが大好きで、ことあるごとに買い込んでいたらしいです。
どこそこで何等賞が出た、なんて、噂の宝くじ屋さん(ていうのかな?)ありますよね。そういった店には、遠方でもわざわざ足を運んで、買いに行くほどの熱の入れようだったそうです。
お父さんには他に趣味といったものもないし、別に家族のだれもそのことを問題視していなかったそうです。
勤め先を定年まで無事勤め上げ、退職金もちゃんともらって家のローンを完済し、子供たちも独立し、何も問題になるような点はありません。
同僚ももちろん、あとは健康に注意して、ゆっくり定年後の生活を楽しんでいるものとばかり、思っていたそうです。
問題は、急に浮上しました。
同僚のお母さんから、急ぎ相談があるので来てほしい、と連絡を受けたそうです。これは、もしかしたら、まさかガンとか・・・と、心配した同僚は、仕事を休んで実家に帰りました。
実家に帰って、何事かと聞くと、家の貯金がほとんどなくなっているというのです。
年金は順調に入ってくるので、日々の生活費にはそれを充当していたため、お母さんは貯金のほうはまったく手つかずで残っているとばかり思っていたそうです。
それが蓋を開けたら、びっくり仰天で、慌ててお父さんに報告しました。全然なくなっているんだけど!どうしてなんだろう!銀行に聞いてみよう!と。
最近の大きな出費も車を買い替えたくらいで、しかも中古の軽自動車です。退職金の残りとはいえ、車1台買ったくらいで、なくなるような金額ではなかったそうです。
お母さんは、てっきりお父さんがATMから引き出すような詐欺にかかったか、または、お父さんが自分の知らない口座に移したのかと怒ったらしいです。
ところが、です。お父さんは、自分で使ったから大丈夫だと答えました。
お母さんはもう仰天して、こんな何百万円もの金をいったい何に使ったのか、と聞いたそうです。そうして、それは全部宝くじに使ったことが判明したのだそうです。
同僚も開いた口がふさがらなかったようです。
すぐ、他の兄弟とも連絡を取って、子供全員でお父さんを問い詰めたそうです。お父さんは、今後はもう買わない、と言っていたそうですが、その後もお母さんが新しい宝くじを見つけたと連絡してきたそうです。
わたしは、宝くじってギャンブル依存症の一種なのだと、この時初めて知りました。
あの、町から間違って4630万円が振り込まれてしまい、一瞬にしてオンラインカジノで使ってしまったというニュースがよみがえりました。
それを聞いたとき、ウソダーと思ったのですが、宝くじというオフラインカジノもあるんですね。辞められない止まらないの依存症なんですね。夫も宝くじは時々買っているようです。行く末が案じられます。