夫の忘れ物は、今現在もしょっちゅう、まさに現在進行形です。目の前にない、視界に入ってない場所にあるものは、多分脳内に反映されていないのだと思われます。
昔、普通のサラリーマンをやっていたころは、出勤した後に部屋をのぞいて、私は悲鳴を上げることが度々ありました。財布、定期はもちろん、弁当箱もカバンに入れることすらしてなくて、そのまま放置されているのです。なので、出かけるときにあれこれ持ったか注意を促し、時間がぎりぎりになって、結局駅まで車で送って行く、なんてことを、わたしはほぼほぼ毎日やっていました。
なぜ、これが異常なことだと思わなかったのでしょう。なんで、病気だと気づかなかったのでしょう。
当時のわたしは、これも妻の役割の一つかと、淡々と受け止めていたのでした。
失職してからはもちろん、一切フォローはしていません。それこそ初めのうちは、わたしが面倒をみすぎたから、少し痛い目に遭えば自分で気を付けるようになるだろう、くらいの気持ちでいました。しかし、状況はまったく変わりませんでした。
そしてこんな調子では、再就職といってもどこも雇ってはくれないだろうと思いました。人件費は莫大ですから、人事の人だって気をつけて採用するはずですからね。若いころ、人事部に所属して働いてた経験のあるわたしは、夫の再就職に簡単に絶望したものです。
今でも、いつもとちょっと違うところに置いたが最後、まず忘れます。わたしは、こんなところに置いてる、とすぐ気づくのですが。夫は、自分で少しは改善しようという意思を持ち合わせていないようです。置く場所を決めておく、とか、毎日必要なものはカバンにすぐ戻す、とかいくらでも対処方法はありそうなもんです。
財布はいつも小銭とレシートだらけ、カバンの中は整理などまずしたためしがないので、常にブラックホールです。自分でも、何が入ってて何がないのかが分かっていないようです。
こういったことも、自分の性格の問題ではなく、生まれ持った病なのだと自覚があれば、もう少し良い方向に持っていけそうですよね。
うちはもう手遅れですが、一度診断を受けてみれば良かったなぁと後悔しています。
「心療内科」で診断してもらえるようです。保険外の診療になるようですが、3回くらいの通院で診断書が出るようです。気になって調べていた当時、診療費は2~3万円ほどでした。ネット上にも簡易な診断テストが転がっていますが、やってみたところ、夫の場合はなんとなくグレーゾーンの感じでした(でも間違いない)。ですので、診断書からの障がい者手帳という流れにはならなかった可能性が大きいです。偏差値だけは高い人間なんですけどねぇ。。わたしもそこに引っ掛かったのが駄目でしたね(笑)