むかーしむかしの話しです。ふと、思い出した話です。
こどもが小学生のころ、PTAの役員は、子供1人につき1回やるのが原則でした。
どこも似たりよったりだと思いますが、春、4月の第一回目のPTAは、かなり荒れました(笑)。教室のドアが閉じられ、今年の役員が最後の1人まで決定しないと外に出られません。もはやこれって、人権問題じゃないですかw?
まぁ皆そこは観念しているというか、あきらめているというか。わたしはそれまで修羅場にぶち当たったことはなかったんですが、ある年それは起きました。どうしてもやりたくない、という勇気のある?人が出たのです。
その方は、シングルマザーで、お子さんは3人です。仕事を3つやっていて、とてもそんな余裕はないとはっきり言いました。
出来る範囲でかまわないのだ、と昨年の役員面が言っても、きっぱり拒否です。そして、もともとやる気もないし、自分が担当になったらかえってPTAの仕事に支障が出ますよ、と言うのです。なかなか、ここまで言い切れる人も少ないです。普通なら、子供への風当たりを考えてしまいますからねぇ。
結局その人は強引に帰ってしまいました。その担当は、このまま空席で行くか、くじ引きをするか。残された面々が、かなりの時間もめたあげく、くじ引きとなりました。運の悪い人が、自分の子供の数より1回多く役員をやることになるのです。
その運の悪い人は、この方もシングルマザーで、お子さんが4人もいる方でした。
やはり、仕事をかけ持ちされています。ですが、「時間が限られますが、やれる範囲で頑張りますのでよろしくお願いします」と、席を立って挨拶されました。先生だけが嬉しそうでした。
わたしは、この人を知っていました。いつも、スーパーで卵の安売りの日、お子さんと一緒に買い物に来るからです。そのスーパーでは、卵は1人1パックしか買えません。見ていると、子供も皆協力して、ママさんの買い物を手伝っています。いつも買っている定番の物を持ってくるお兄ちゃん、一番下の子の手を握っているお姉ちゃん、今日の広告のお買い得品を探すお姉ちゃん、それぞれ連携しています。(うちも家に子供がいるときは、連行してました)。
わたしは、このママさんと話す機会はあまりなかったのですが、その数少ない機会の中でも、これはわたしも見習いたいと思わされたことが、いくつかありました。子供さんの得意不得意に合わせて、家事を割り振っていること、小さい兄弟たちにも、出来るだけ自分のことは自分でやらせていること、生活リズムを崩さないようにしていること、などです。わたしがすごいと思ったのは、修学旅行や遠足の準備なども、親は口をはさまず、子供自身にやらせていたことです。わたしとは、大違いです。
その後、うちの子から聞いた話しです。子供さんたちは、皆アルバイトをこなしながら、奨学金を取って大学に進学したそうです。1種奨学金は、成績優秀者でないと取れません。親の態度をこどもは良く見ているのだな、影響するのだなとつくづく思いました。