時々、悪魔からの手紙のように、ひっそりやってくる「年金定期便」。
わたしはもちろん、自分のおおよその年金額を知っています。
いわずもがな、かなり低いです。
夫が辛うじて正社員をやっていたころ、わたしはパート勤務で130万円を超えないように、夫の扶養に入っていました。
でも夫が失職してから後、もう130マンとか言ってられなくなりました。すぐに、それまでのコンビニ工場や、塾のパートを辞め、派遣社員として今の職場に入りました。
わたしはそこから、社会保険に入ることができました。
子供もわたしの扶養に入れることができました。しかし夫は、ろくな稼ぎもないのにパチンコなどに使っていて、時々国民健康保険や年金を滞納していました。
あれって、督促の電話がかかってくるのです。
委託された業者が、それこそ、夕飯時のような時間帯を狙ってかけてくるのです。しかもけっこうな頻度で、しつこくかかってきます。初めて電話の対応をしたときのショックを、まだ覚えています。
でもわたしは、もうその当時は、夜叉の形相だったと思います。何があっても、家にお金を入れるようにと夫に言いました。ぶっちゃけ、どこから借金しようと、滞納しようと、知ったことじゃない。とにかく、子供の進学までに、学費を何とかしなければ。その一念でしたから。
そして、今です。夫の年金定期便が、たまたま目に入りました。いつもは、自分のゴミ貯め(という名のカゴ)の一番底に隠してしまうのです。
すでに開けられている、年金定期便。
思わず手に取りました。4万円に届かない額でした。
ショックでした。
昨今、物の値上がりは続いています。そして、この4万円のうち、65歳が来れば、ここから1万円近くは介護保険料に持っていかれてしまうのです。それも、一生、死ぬまでです。
これでは、いつまでも仕事を辞めるわけにはいきません。辞めたら最後、すぐに破綻してしまいます。そもそも、わたしと離婚したら、いくら田舎の実家に帰ったとしても、生活できる額ではありません。
実家の親が無年金で、仕送りをしていたために夫婦仲にひびが入り、結局離婚に至った人が、職場にいます。
その人は、その仕送りのお金でローンを繰り上げ返済し、家族で海外旅行も行ってみたかった、先に自分の奨学金の返済をしてほしかった、だけどわたしの言うことに耳を貸さなかった、だから離婚しかなかった、と言っていました。一家の主婦にしてみたら、当然の思いでしょう。
貧乏な親は、こうして社会人の子供の生活をも壊してしまうんですね。身につまされる思いです。