この言葉は、かつて友人がわたしに向けて言ったもの。
この友人も離婚しています。離婚はもう、珍しくもなんともなくなりました。
ひと昔前と違って、子供の縁談にも、さして影響もないようです。学校生活も、うちはママだけ、なんて子は今時いっぱいいるよ、とも聞きました。
離婚したら、さぞかしすっっっきりするでしょうねぇ。
でも、やっぱり決め手は、「金」じゃないでしょうか。
離婚したい!と思ったということは、連れ合いを嫌いになったということ。好き嫌いに理由もクソもありません。
嫌いになった原因として、あれこれ分析も出来ましょうが、詰まるところ行きつく先は同じ。このまま結婚生活を続けるか、きっぱり離婚してしまうか。
わたしは結局、子供の学費のために、離婚できませんでした。
どんなに頑張っても、1人で2人分の学費を稼げないとわかりましたから。
もちろん、気持ち的には辛いものがありました。もう嫌だ、嫌いだ、〇んじゃえばいいんだ、と思っている相手と、一緒に暮らすことは、絶対的に楽しくありません。
わたしの場合は、その穴埋めを子供でしのいでいました。
我慢した甲斐があって、奨学金に手を出すことなく、2人とも無事に社会へ送り出すことができました。
もっとも、上の子が社会人になってからは、ずいぶん経済的に助けられたのです。
口では「そんなにいいよ。貯金しなさいよ」と言いながら、直接的間接的に、ずいぶんと助けられてしまいました。
その上の子も家を出て行き、下の子も学業を終えたのち、遠い地で就職しました。
じゃあ、今さらながら、離婚をしてみるか?と、考えなくもなかったのです。
でも、今度は別の問題点が見えてしまいました。
自己管理の甘い夫、1人暮らしをする金も貯金も年金もない夫。将来、生活保護にでもなってしまったら、子供に迷惑がかかるのは必定です。
わたしに経済力がもっとあったなら、と、つくづく思います。
そうしたら、もっと早い時点で、離婚を真剣に考えられただろうと思います。
夫からも養育費を出してもらって、学費を賄うこともできたはずです。でも結局は、お金がなければ、離婚できなかったのです。夫に養育費など、出せるわけもありませんでした。
そして、こうなった今は今で、離婚してそれぞれ1人暮らしを始めてしまったら、ろくな貯金はできません。
こんな少ない年金で、暮らしてはいけません。
ふところが寒くなる前に、高齢者と呼ばれる前に、なるべく貯金しておかなければ、将来的に子供にすがるようになってしまいます。そんな、親として恥ずかしいことはできません。
子供の配偶者にも、必ず影響するはずです。子供の家庭を壊すようなことは、絶対にしたくありません。そういうケースをいくつも見ました。
子供たちの性格は、2人とも優しい性分です。
「ひどいお父さんだった!絶対に援助なんかするもんか!」とは、ならないと思います。なんだかんだで、お金を出すと思います。夫は、子供を可愛がっていましたから。
結局、夫の人生の後始末役を引きうけるのは、わたしのようです…。
でもこれからは、それぞれのことは、自分で。形ばかりの夫婦生活でけっこうです。今さら、何の当てにもしていません。