1965年生まれの日記~離婚しようかやめとくか~

結婚して30年・・夫は発達障がいかもしれません

コンビニ工場(夜勤)で働いてみたい人は、読んでみて下さい~書評

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今現在仕事を、パート先を探している方もいらっしゃると思います。わたしがかつて働いていた、全国どこにでもある、コンビニのサンドイッチや弁当を作る工場。この内情(雰囲気)がよくわかる小説があります。

作者は桐野夏生、推理小説「OUT」です。

これは昔、テレビドラマ(田中美佐子と渡辺えりこでした)にもなりました。ネタばれになるので、詳しい部分は書きませんが(Amazonのレビューをご覧ください)(Wikipediaにもあります)、コンビニ工場の夜勤パートの主婦たちが事件を引き起こしていく話しです。各々、色んな家庭事情を裏で抱えています。深夜のコンビニ工場の情景が、よく書き込まれています。

当時、わたしはすでに働いていましたので、身につまされながらこの本を読みました。夜勤特有の雰囲気、夜の仕事という、人様とは逆の世界で働いている独特な感じ、そこに集う人々。

この「OUT」の主人公も、その仲間も、家庭に問題を抱えながらも精一杯働いています。それが、だんだん崩壊していく様、誰でもこんな世界に陥ってしまう危うさが、よく描かれています。

確かに夜勤の時給は昼間より高く、昼間の時間の都合もつけられたし、当時は扶養範囲内めいっぱい稼ぐことが出来ました。でも、日中は頭痛がよくあったし、夜の数時間のために昼間の時間が全滅することもありました。当時はひたすら子供のため、と思って頑張りました。よく10年近くもやったと思います。

もし今やるとしたら、どうでしょう。もう昼間は、のんびり寝ていられますからね。メンヘラ同僚にぶち切れて辞めることになったら、ドラッグストアの夜勤パートでもやろうかと思っています。そのために、登録販売者の資格を取ったのですから。

もう1つお勧めなのが、「柔らかな頬」です。直木賞の作品です。

これは先日書いた、あの事件と同じ内容と同じです。女児行方不明事件が題材です。主人公は自分の親とうまくいかなくて、故郷を捨てます。その故郷で、今度は自分の娘が行方不明になってしまうのです。

私自身も母親と相性が悪く、逃げるように結婚したので、これまた身につまされながら読みました。そして、ちょっとした隙に、子供ってこんなふうにいなくなってしまうという内容が、もう恐ろしくてたまりませんでした。この本を読んでしばらくは、子供が昼寝をしてても、窓を開けっぱなしにしておけなかったです。昔から、神隠し、という言葉があるじゃないですか。子供の不明事件なんて大昔からあったことなのに、現代でも普通に存在している恐怖を感じました。

でも、子供が小さい頃は、親はこのくらいの危機感を持っていて正解だと思います。わたしはこの本を読むまで、昼寝している子供を家に残して、ちょっと買い物に行ったりすることもありました。猛省しました。

子供の命を守れるのは、親だけですから。子供になにかあっては遅いですから。悪いのは子供でなくて、親ですから。あの時の、緊張感を持って育児したことが、思い出されます。

なんにしても、面白い(というか、日常に潜んでいる怖さ)本です。普通に、読み物としても楽しめると思います。