うちの夫の場合は、発達障がいといっても、かなりグレーゾーンのような気がします。
まだらというか、グラデーションというか。それでも、ネットに転がってる診断テストに当てはめてみれば、明らかにそうなんですけどね。
逆に、それだから良かったなどというつもりはありません。
むしろ、このため離婚するきっかけを失ったと思います。
かつての近所の知人の場合です。
夫さんはとても気さくで陽気で、会えば挨拶の上に、何か気遣いの一言を添えてくれる印象の良い男性でした。大きな車で、いつも家族で買い物をしているところに遭遇し、わたしは羨ましく思ったものです。
しかし、ある日その知人が「聞いてくれる?」と話してくれたのです。
聞いて、もうびっくりしました。経済的なモラハラ、彼女を奴隷のようにこき使う専制君主のような人だったのです。子
供の教育費さえ出ししぶり、出さないのかと思えばそうではなく、嫌味の10個も言わないと気が済まないのだそうです。言葉の暴力です。
聞けば聞くほどこれは入っている・・・と感じ、まだ子供が小さいながらも、早く離婚したほうがいいのでは、と進言しました。
DV、ではないかもしれませんが、言葉の虐待が度を越しています。このままでは、彼女も子供も精神的なダメージが大きすぎます。いわゆる、カサンドラ症候群になってしまいます。
彼女はそれからも、何かにつけ、わたしに相談しているようでそうではない、とにかく愚痴を言い続けました。
気持ちは充分すぎるほどわかります。わたしだって似たようなものですから。
でも、本気で現状を打開する気があるのなら、行動を起こさなければ何も変わりません。
わたしも出来るだけ聞いてあげていたのですが、こちらも貧乏暇なし状態で、そうそう時間を避けません。
それからお互い時間が合わなくなり、かれこれ10年ほども会わなかったでしょうか。
つい先日、ばったり衣料販店で遭遇したのです。さすがにこれは懐かしい、会えて嬉しい、となり、近くのファミレスでお茶をという話しになりました。
ところがです。会っていなかった10年が、まるでなかったかのように、彼女は10年前と同じ話しをし始めたのです。
彼女はコンビニでバイトをしている、夫に何を言われてもかまわない、お金を貯めて末っ子と家を出たいなどと話しました。確か10年前もそんなこと言っていたような・・。
いえ、バイトの許可を夫に求めるところから、間違っているのです。そういう問題ではないのです。
彼女の置かれた状況は、まったく10年前と変わっておらず、彼女の考え方、現状の認識もまったく変わっていませんでした。何というか・・・もはや、ため息しか出てきませんでした。