子供の時分、親に連れられてよく行った、お正月の一般参賀。
子供にとっては、面白くなかったのですが、親が毎年行きたがりました。長いオーバーを着せられて、毛皮風の襟巻をして、髪もちゃんと結ってもらって、きちんとした格好をさせられました。
人混みは凄いわ、前に出てくる天皇陛下は見えないわ(もちろん昭和天皇です)、親とはぐれそうになるわで、子供心にも楽しくなかったです。
そのあとで連れて行ってもらえる、浅草や上野の繁華街が楽しくて、しぶしぶつきあっていたようなものです。
お正月でなくても、皇居の中まで入れるって、知っていましたか?平日であれば、申し込みさえすれば、中まで入れるのです。
一般「参観」です。今はコロナで、参観人数も減らされているようです。でも、やっているようです。
↓宮内庁HP「一般参観申し込み」
https://www.kunaicho.go.jp/event/sankan/sankaninfo.html
これ、知らない人けっこういるんですよね。
若い頃は大手町に勤めていたので、お昼休みに皇居近辺をよく散歩したものです。なので、ありがたみといったものは全然なかったので、自分が行こうと思ったことはありません。
ですが結婚後、義母が、「皇居の勤労奉仕」に行った時の自慢話をしてくれたので、へぇーって思いました。
田舎?の人達にとっては、そんなに特別なことなのかしら、って。わたしにとっては、小さい頃から、皇居は正月の観光地コースみたいなものでしたので。
婦人会の集団で、小型のバスで行ったようです。よく覚えていないのですが、昭和50年代の話しだったかもしれません。
敷地内では整列して歩かされたこと、義母は食器や銀器磨きをしたこと、天皇皇后の「ご会釈」に感動したこと、感激して泣いてしまったこと、皇后の立ち姿の姿勢の良さに感心したこと、などなど、面白い話が聞けました。交通費、宿泊費は、自前だったそうです。そのため、婦人会で積み立てをしていたそうです。
記念のお土産を貰ったこと(昔はタバコだったようです)。記念写真もありました。皆、白い割烹着みたいなのを着ています。
今になって思えば、もっと話しを聞いておけば良かったと思います。
当時は、帰省したらしたで、落ち着いて畳の上に座って、話しをしていられませんでした。正月は、義父の客も多く、義母を手伝って大変でした。今のこの、なんにもしない腑抜けな正月が将来やって来るとは、当時は想像できませんでした。
義母は結婚5年もしないうち、60代半ばで亡くなりました。一生の付き合いを覚悟していましたが、あっけない別れでした。下の子は会ったことがありません。