個人塾で、バイトをしていた時の話しです。
塾というのは、子供本人の意思で来る人ももちろんいますが、やはり親が勧めてくる場合が多いです。大手のチェーン塾ならば、中学受験も視野に入れた、それなりに戦う意思が親子両方にある場合が多いように見受けられます。が、わたしの生息しているこの地方は、受験するような子供は多くありません。ですが、やはり学校の勉強についていけない状況は、親が心配するのでしょう。親がきちんんとその状況を見ている子供は、まだ救われるような気がします。
なぜか、成績としてはあまり問題のないような子が、通ってきていました。分からない箇所は、ちょっと見てあげればすぐ理解します。
通塾が必要な感じには思えなかったのですが、別の面で色々ある子でした。その子に、教科書や鉛筆、消しゴムなど、一度貸してあげたら、二度と返ってきません。
本人に問いただすも、失くしてしまった、と悪気なく答えるのです。学校でも常習犯らしく、親御さんはそのことをだいぶ気にしているようでした。罪悪感がないとか、忘れ物しやすいとか、友達に迷惑をかけていると、大変悩んでおられる様子でした。わたしは、横で聞いている立場でしたので、何も言いませんでしたが、これはやはり・・・と、思いました。
来るべきところは、学習塾ではないはずです。
他にも、突然外に飛び出して行ってしまう子、急に立って帰宅してしまう子、話しが耳に入らない子。皆が皆成績が悪いわけでもないのです。学生時代のアルバイトでは、単純に分からない問題をみて教えるだけの作業でしたが、こういった個人塾の面倒見の良いところはさすがだと思いました。
意外に、自分の子に限ってまさか、という見方から離れられない人も多いです。うちの夫のように、子供時代から成績がよく、学級委員長なども毎年務め、運動神経も抜群、高校は県1番の進学校、大学もストレートで有名国立大学、そんな子供が発達障がいとは、だれが思うでしょうか。
発達障がいという言葉を耳にするようになり、色々なパターンがあるのだと知るようになったのは、この時からです。
病院で診断を受けるほどの気づきがない場合は、こういった教育の現場で発覚するきっかけがあると思います。家ではなかなかわかりにくいですし、「この子はこういう性格だから」と、おおらかに接する親御さんもいると思います。
子供にとって、親の判断は重要です。
座学の向かない子には、その他の選択肢を用意してあげないと、子供自身が自分の向き不向きが分からないままになってしまいます。苦痛な将来しか待っていません。
なんか偉そうなことをほざいていますが、我が子に対しては何も考える余裕がなかった私です・・。