夫の少し普通ではない対応の仕方に疑問を感じたのは、車の事故の時が最初だったと思います。もちろん、あとから思い返せば、いくらでもそうだったのかと気づいたんですが、当時はまったく思ってもみませんでした。
うちの車が追突され、特に大きな被害も出なかったのは幸いだったのです。しかしもちろん、相手側に全面的な過失があります。
それは相手の方もその認識でおられたので、そこは問題なかったのですが、詳しい内容は避けますが、その時の交渉の仕方がまったくおかしかったのです。態度はおどおど、目はきょときょと、ちゃんとした会話すら交わすことが出来ず、何かというと頭を下げあやまっています。
そんなんだから、必要な交渉事がぜんぜん進みません。相手の方も困っている様子がありありと見えます。隣に座っていたわたしも、これは何事かとびっくりしました。だって、こちらが被害者なわけで、交渉をリードしていく決定権をまかせられているのですし、相手の方もそうおっしゃってくださっているのです。「いや、どうも、すみませんね」ばかり口にしています。
わたしはその時初めて、これは夫に任せておけないと思いました。
とりあえず、そこからはわたしが全面的に交渉を進め、示談書をかわすところまで持っていきました。後日、再び最終確認のために話し合いの場所を設けましたが、夫はもうお前の仕事だろうと我関せずの態度です。何かというと、愛想よく、「いや、すみません」です。
一通り交渉が終わったあと、夫に問いただしてみたのですが、別に緊張したからとか、どう接したらよいのかわからなかったとか、そんな理由はなかったようです。むしろ、何か問題でもあったのか?と聞かれました。わたしは、それを聞いて、ますます疑問が膨らんでいったのです。