(注:わたしじゃありません)
職場で事件です。他の部署の人なのですが、突然退職届を叩きつけ、部屋を出ていってしまいました。
その人は、真面目でもの静か、気さくで親切で、1人黙々と仕事をする人なのです。ここではなかなかいない、優秀な人材といって差し支えない人です。
どうも、個人の事情ではなく、会社側となにかしらあったような噂です。仕事内容か、転勤か、給与面か。異動辞令は出てなかったけど、間もなく4月なので、何かあったと思われます。
常識がわからない人ではありませんでした。
よほど何か、腹に据えかねることがあったに違いないです。
振り返れば、わたしも一昨年あたりから、上の方針とやらで仕事の内容が変わりました。
他の人には、新しい仕事が割り振られました。しかし、わたしの仕事はそのまま、後は(多分わたしがいつ辞めても大丈夫なように)自分の仕事を他の人に教育してください、で終わりでした。
この方もわたしと年齢が近かったので、同じような目に遭ったのかもしれません。
わたしもその節は、かなりショックでした。
え、わたしだけなんで?まだ60には届かないし、65まではまだまだ何年もあるのに。ひょっとして会社の嫌がらせかも、という気持ちになりました。
同時に、負けるもんかという気持ちの方が強かったので、今もこうして働いているのですが。
生活事情も許しませんでした。
ドタマにきて今辞めてしまったら、この年齢だし、絶対再就職できない。もう2度と、今の給与額は貰えまい(少ない給与ですが)。
気持ち的には、自分だけ年寄り扱いされたのが恥ずかしくて悔しくて辛くてたまりませんでしたが、辞めるという選択はありえませんでした。
勇ましいこと言ってますが、わたしは人様の前で、怒りをぶつけたり爆発させたりするということが、恥ずかしくて出来ません。
でも、この人はそうではなかったのでしょう。わたしよりは、ずっとずっと良い給料を貰っていたはずですが、何かで折り合いがつかなかったのでしょう。
聞けば、急に身の回りのものを整理しだし、掃除を始めたそうです。そして、「今日で辞めますので」の一言を残して、と颯爽と帰って行ったそうです。
それ以上の報告や、お世話になりましたなどの挨拶、もちろん仕事の引継ぎもなかったようなのです。
残された仕事はどうなるやら。後の人は大変です。
そんな会社に勤めている自分も、明日は我が身です。